為替手形及約束手形ニ関シ統一法ヲ制定スル条約(1930) (Convention Providing a Uniform Law For Bills of Exchange and Promissory Notes, Geneva, 1930, The League of Nations)
国際商取引の契約書の条項、たとえば支払条項、解除条項等で、日本の手形法に関する事項が規定され、そこで手形法特有の用語・表現が使用され、これを英文に翻訳する必要が生じる場合がある。このサイトは、手形法特有の用語・表現に該当する英語を検索し、または確認したい場合に便利である。
日本の手形法には、裏書・引受・保証・満期・支払・支払拒絶・遡求・参加等や、確定日払・日附後定期払・一覧後定期払等、手形特有の用語・表現がある。これらの用語・表現は一般英和・和英辞書や英米法辞典等で確認できないことはないが、このサイトによれば、より簡単に、検索し確認することができる。
「為替手形及約束手形ニ関シ統一法ヲ制定スル条約(1930)」は、各国の手形の法律関係の規定を統一することを目的として制定された、いわゆる統一法である。統一法には、その規律の対象によって、渉外的法律関係に限らず、各国の国内法の規定を統一することを目的とするものと、各国の国内法のうち渉外的法律関係に関する規定のみを統一することを目的とするものとがある。前者は世界法型統一、後者は万民法型の統一と言われることがある。「為替手形及約束手形ニ関シ統一法ヲ制定スル条約(1930)」は前者に属する。この条約の規定を国内法とするための法律がわが国の「手形法(昭和7年法律20号)」であるが、手形法は、日本の国内的法律関係に適用され、しかも渉外的法律関係にも区別なく適用される国内法である。(高桑昭『国際商取引法〔第2版〕』有斐閣、13-15頁)
「為替手形及約束手形ニ関シ統一法ヲ制定スル条約(1930)」は、1930年ジュネーブにおいて「為替手形・約束手形及び小切手に関する法律の統一のための国際会議」の第1回会議によって成立し、日本・ドイツ・イタリアその他の諸国に批准を得て、1934年1月1日から効力を発生した条約の1つである。手形法(昭和7年法律20号)は、日本がこの条約に参加し、これを批准したことによって制定され、昭和9年1月1日から施行されたものであり、この条約の第1附属書に定める統一規則(本サイト)を翻訳したものである。(鈴木竹男『手形法小切手法』法律学全集32、有斐閣、昭和32年、76-87頁)
わが国現行の手形法(昭和7年法律20号)と「為替手形及約束手形ニ関シ統一法ヲ制定スル条約(1930)」(Convention Providing a Uniform Law For Bills of Exchange and Promissory Notes, Geneva, 1930, The League of Nations)とを対照しながら手形法特有の日本語の用語に相当する英語のそれを確認してみると、たとえば、それぞれ、裏書(第二章)とEndorsement (Chapter Ⅱ)、引受(第三章)とAcceptance (Chapter Ⅲ)、保証(第四章)とAvals (Chapter Ⅳ)、満期(第五章)とMaturity (Chapter V)、支払(第六章)とPayment (Chapter Ⅵ)、支払拒絶又は支払拒絶による遡求(第七章)とRecourse for Non-Acceptance or Non-Payment (Chapter Ⅶ)、参加(第八章)とIntervention for Honour (Chapter Ⅷ)等となっており、翻訳に当たって参考となる。
なお、「為替手形及約束手形ニ関シ統一法ヲ制定スル条約(1930)」は世界法型の統一法であるが、英国、米国、中南米諸国がこの条約には参加しなかったため、真の世界統一法が成立したものではない。「為替手形及約束手形ニ関シ統一法ヲ制定スル条約(1930)」(大陸法系)と英法、米法(英米法系)の相違を克服することを主たる目的として、いわゆる万民法型の統一法を定めるものとして、国連国際商取引委員会(United Nations Convention on International Trade Law; UNCITRAL)による国際的に流通する手形についての統一法規則の作成の1971年の決定、その準備作業を担当する国際流通証券作業部会の1972年の設立等による最終的な草案として結実した「国際為替手形および国際約束手形に関する条約」(United Nations Convention on International Bills of Exchange and International Promissory Notes) が、1988年12月9日、国連総会において採択されている(大塚龍児外『商法Ⅲ-手形・小切手〔第2版補訂〕』有斐閣、2001、29-30頁:高桑、上掲書、182-189頁)。この1988年のいわゆる国際手形条約も、英文契約書の手形用語・表現を検索し確認する上で参考となるであろう。
- 為替手形及約束手形ニ関シ統一法ヲ制定スル条約(1930)(Convention Providing a Uniform Law For Bills of Exchange and Promissory Notes, Geneva, 1930, The League of Nations)
- 国際為替手形および国際約束手形に関する条約(United Nations Convention on International Bills of Exchange and International Promissory Notes)

