「Including but not limited to」とCanons of construction

[Ⅰ] はじめに

「Including but not limited to/ Including without limitation」(などを含むがこれに限定しないで)は、英文契約書の中でそれぞれ、次の(1-1)と(2-1)のように使われています。

11) Each of the Parties promises that it shall maintain in confidence and shall not disclose the contents of this Agreement, including but not limited to, the consideration received or paid by either of the Parties.(1)

21) During the period when both of the parties hereto (or their transferees pursuant to Article      hereof) are shareholders of the New Company, neither party, nor any transferees or affiliates thereof, shall engage, directly or indirectly, in any activity which is the same as , similar to, or competitive with any activity engaged in by the New Company (including, without limitation, the manufacture and sale of the Product in the Territory), except through its participation as a shareholder in the New Company.(2)

Include(動詞)とともに、次の(3-1)のように使われる場合もあります。

31) Force Majeure shall include, but not limited to, any of the following events or circumstances: a demand for the Goods and other products manufactured by the SELLER that exceeds the SELLER’s ability to supply those Goods, earthquakes, fire, accidents, floods, storms, other Acts of God, riots, wars, rebellions, strikes, lockouts or other labor disturbances, national or international emergencies, failure to secure materials or equipment from usual sources of supply, power failures, failure of carriers to furnish transportation, government rules and regulations, (including failure to secure an Export License), regulations, acts, orders, restrictions or requirements or any other costs or causes of like or different nature.(3)

上記のように使用されるのですが、この用語には、次のような問題点を含んでいます。

Bryan A, Garner(4)やKenneth A, Adams(5)が、問題があるとして取り上げているもので、including やincludeそれ自体が、「などを含む」という意味を持っており、including やincludeの後の語は例示(exemplary or illustrative)として記載されているのだから、「but not limited to」や「without limitation」は必要ない、余分または冗長なものだ、というのです。

そこで以下で、この表現を、最初に[Ⅰ]で、「解釈原則(Canons of construction)」との関係で、次に[Ⅱ]で、日本の内閣法制局が法律用語の常識であるとする「その他の」の用語との関係で、[Ⅲ]で、「such as」との違いを考え、最後に[Ⅳ]で、本項の目的である契約書の翻訳に役立てる、というのが本テーマの目的です。

[Ⅱ] 解釈原則(Canons of construction)との関係

  解釈原則(Canons of ConstructionまたはCanons of Interpretation, Rules of Construction)とは、法律解釈の根本原則で、裁判所が契約書などの文言を解釈するときに準拠する原則(6)で、曖昧な文言を解釈するために裁判所によって用いられ、判例法とみなされ、アメリカの州によっては法典化されているものです。(7)

契約書の起草者は、自己の意図する文言を誤って解釈されないようにするために、この解釈原則のうちの次の原則、すなわち(i)「Expressio Unius Est Exclusio Alterius」、(ii)「Noscitur a Sociis」、(iii)「Ejusdem Generis」の原則を顧慮して、余分または冗長ではないかとされる「but not limited to (without limitation)」をあえてincluding やincludeの後に付け加えていると思われるのです。(8)

(i)Expressio Unius Est Exclusio Alterius の原則(=the express mention of one person or thing is the exclusion of another)(9)

この原則は、事柄のある種類の全体(a whole class of matters)を表現する一般的な言葉に続けて、それを構成するその部類(some members of the class)である具体的な言葉が明記されているときは、明記されていない他の具体的な言葉は排除され、含まれるのは明記された具体的な言葉のみと解釈される、という原則です。この解釈原則は、イギリスの判例(Intpro Properties (UK) Ltd. v Sauvel [1983] Q.B. 1019)で「1961年外交関係に関するウイーン条約第1条(i)の文言が問題となったときに採用されています。この原則の理解のために、ここに簡単に取り上げます。

該当の条項は、以下(4-1)(英文)と(4-2)(日本文)のとおりです。

(4-1) The “premises of the mission” are the buildings or parts of buildings and the land ancillary thereto, irrespective of ownership, used for the purposes of the mission including the residence of the head of mission.

(4-2)「使節国の公館」とは、所有者のいかんを問わず、使節団のために使用されている建物又はその一部及びこれに附属する土地(使節団の長の住居であるこれらのものを含む。)をいう。

この事件では、使節団の長以外の使節団の住所が含まれるかが問題となった。裁判所は、含まれないと解釈した。その理由は、本解釈原則を適用して、1条(i)の「the buildings or parts of buildings and land ancillary thereto(使節団のために使用されている建物又はその一部及びこれに附属する土地)」という一般的な言葉の後に、including以下の「the residence of the head of mission(使節団の長の住居)」という具体的な言葉が明記されているので、それ以外のものは排除され、「使節団の長の住居」以外の明記されていない住居は含まれない。

これを(1-1)の契約条項にあてはめて考えてみると、この解釈原則によれば、includingの後には、「the consideration received or paid by either of the Parties(当事者のいずれかが受け取りまたは支払う対価)という具体的な言葉しか明記されていないので、一般的な言葉であるthe contents of this Agreement (本契約書の内容)に含まれるものは、それ以外のものは含まれないことになってしまいます。このことを顧慮して、but not limited toを付加するというのです。

(ii)Noscitur a Sociis(=It is known from its associates)(10)

この原則は、具体的な言葉とともに一般的な言葉が用いられているときは、その一般的な言葉の意味は列挙された具体的な言葉に限定されて解釈される、という原則です。これを(2-1)の契約条項に当てはめて考えてみます。この場合、Including だけならどうか。一般的な言葉である「any activity engaged in by the New Company(新会社が関わる活動)」の意味は、列挙されている具体的な言葉、「the manufacture and sale of the Product in the Territory(本件テリトリーで本件製品の製造および販売)に限定されて解釈されることになり、ここでの新会社は、製造会社および販売会社と解釈され、それ以外の業種の会社、たとえば広告会社とか運送会社とかは含まれないと解釈されるのではないか。この規定は競業の禁止を定めるものですが、両当事者が制限をうける競業が極めて狭く解釈されることになりますので、この条文の趣旨が競業の範囲をもっと広く想定している場合には、Including, without limitationを付け加えなければならないと、契約書の起草者が顧慮したのだろうというのです。

(iii)Ejusdem Generis(=of the same kind or nature)(同種・同類解釈則)

この原則は、日本語で「同種・同類解釈則」と訳されているものですが、上記の(ii)の解釈原則と似ています。次の「その他の」の説明のときに、考えることにします。

契約者の起草者は、上記の解釈原則を顧慮して、including やinclude の後に余分または冗長と思われる、「but not limited to」や「without limitation」を置いていると思われるのですが、日本の法令で使用される「その他の」の表現が、include, but not limited toやIncluding, without limitationに英訳される場合がありますので、「その他の」との関係で、次に考えてみます。

[Ⅲ] 「その他の」との関係

「include, but not limited toやIncluding, without limitation」と「その他の」の関係がよくわかる条文として、たとえば次の(5-1)と(5-2)の「会社法18条」があります。

51)物品の販売又はその媒介の委託を受けた代理商は、商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百二十六条第二項の通知その他の売買に関する通知を受ける権限を有する。

52  A Commercial Agent to whom the authority of the sale of goods or the role of intermediary in the same is delegated has authority to receive the notice regarding the sale and purchase including, but not limited to, the notice under Article 526, paragraph (2) of the Commercial Code (Act No. 48 of 1899) (法令外国語データベース)

(5-2)は、(5-1)の「法令外国訳データベース」の翻訳ですが、ここで注目したいのは、「その他の」が「including, but not limited to」で訳されていることです。注目したいのは、「その他の」の後に出てくる語が、「including, but not limited to」では前に出ているということです。つまり、逆になっている。(11)

これまで検討してきたように、「including, but not limited to」の前に出てくる語は「事柄のある種類の全体(a whole class of matters)」を表わす語(=一般的な言葉)、後に出てくる語は「それを構成するその部類(some members of the class)」(=具体的な言葉)でした。会社法18条では、「その他の」の後に出てくる語、「売買に関する通知」が一般的な言葉で、「その他の」の前に出てくる語、「商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百二十六条第二項の通知」が具体的な言葉という関係になっている。前後逆の関係になっている。

「商法526条2項の通知」とはどのような通知かを確認しておきます。次の(7-1)と(7-2)です。

61)前項に規定する場合において、買主は、同項の規定による検査により売買の目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないことを発見したときは、直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、その不適合を理由とする履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。売買の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しないことを直ちに発見することができない場合において、買主が六箇月以内にその不適合を発見したときも、同様とする。

62In a case prescribed in the preceding paragraph, if the buyer, as a result of the inspection under the provisions of that paragraph, discovers that the object of the sales transaction does not conform to the terms of the contract with respect to the kind, quality or quantity, it may not demand cure of the non-conformity of performance, demand a reduction of the purchase price, claim compensation for loss or damage, nor cancel the contract on the grounds of that non-conformity unless it immediately issues notice to the seller to that effect. The same applies if the buyer is unable to discover immediately that the object of the sales transaction does not conform to the terms of the contract with respect to the kind or quantitywithin six months.(平成29年法45号による改正のため、「法令外国語訳データベース」の英訳が改正前の条項の英訳のままとなっているため、改正前の英訳を修正した「試訳」です。)(12) (13)

「その他の」という用語は、「その他」との区別で使用される、極めて専門的な法令用語です。Includeが、日常使用される意味で使われている、いわゆる「日常語(everyday language)」であるのに比べ、それは日本の内閣法制局が作り上げた法令用語で、法律を専門とする者だけが使っている極めて専門的な用語です(以下「法制執務用語」といいます)。

「法制執務提要(第2次改訂新版)」(14)は、「その他」(7-1)と「その他の」(7-2)、その違い(7-3)を次のように説明している。

71)「その他」は、特記された事項以外の事項が並列的に多数予想される場合に用いる。

例:請求書には、家具、備品及び消耗品の購入、俸給及び給与の支払その他この法律を完全に実施するために必要なあらゆる役務及び物品に関する経費を計上しなければならない。

72)「その他の」は、前置された名詞又は名詞句が後置されることばの意味に包含され、その一部をなす意味に用いる。「商業、工業、金融業その他の事業」、「地震、水害、火災その他の災害」というように用いる。ただし、語感によっては、「その他の」を使うべき場合に「その他」が使われる例もある。

73)「その他」と「その他の」の意味の差を簡単に示す例を掲げると、たとえば「扶養手当その他政令で定める手当」といえば、政令で定めるのは、扶養手当以外の手当になるが、「扶養手当その他の政令で定める手当」といえば、政令では扶養手当を含めた手当について定めなければならないことになるのである。

「法制執務提要(第2次改訂新版)」は昭和43年に、昭和32年に出された「法制執務提要(新版)」(15)の改訂として出されたものですが、改訂前の新版の該当の個所の記述は同じで、改訂されていません。その後に歴代の内閣法制局長官が表わした、「法令用語」に関する書物も大方これに依って説明されています。(16) (17) (18) (19)

これを(6-1)の「その他の」に当てはめてみると、「その他の」に前置されている「商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百二十六条第二項の通知」、つまり(7-1)の「売買の目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しない……旨の通知」が、後置されている一般的な言葉、「売買に関する通知」に対する、具体的な言葉となっています。

including, but not limited to (without limitation)が法制執務用語の「その他の」に翻訳できることが確認できたところで、取り残した事項、同種・同類原則(Ejusdem Generis(=of the same kind))の解釈原則を取り上げ、その関係を確認し、さらに英語の類似表現(other)との関係も検討してみようと思います。

Ejusdem Generis(=of the same kind or nature)(同種・同類解釈則)

この同種・同類解釈則は、一般的な言葉の前後に具体的な言葉が記されている場合には、一般的な言葉は、その前後にある具体的な言葉によって限定され、その具体的な言葉と同種・同類のもののみを指すと解すべきである、という解釈原則であると説明されています。(20)

(7-2)で「法制執務提要」の「「地震、水害、火災その他の災害」を例にとると、一般的な言葉は、その前に記されている具体的な言葉、「地震、水害、火災」と同種・同類の言葉であるというのです。つまりある言葉が「一般的な言葉」である「災害」の中に含まれるかどうかが問題となる場合、一般的な言葉の内容は、その前に出てくる「地震、水害、火災」と同種・同類の言葉によって限定されて解釈される、というのです。

これを契約書の起草者の側からみると、一般的な言葉と具体的な言葉が同種・同類ではないものを想定して起草したときは、裁判所の解釈でその目的をくつがえされてしまう。一般的な言葉と具体的な言葉の関係は同種・同類のみでなければならない。この同種・同類解釈則の適用を避けるため、契約書の起草者は、Including, without limitationを付け加えようと考えるわけです。

「その他の」と「including」とでは、前後に置かれる語が逆になっていることは上に確認済みですが、「その他の」と同じ語順で、同じ意味を表わすのに使用される英語の表現に、(3-1)で「strikes, lockouts or other labor disturbances」として使用されている、「other」があります。(3-1)の場合の一般的な言葉である「labor disturbance (労働争議)」に何が含まれるかの解釈に争いがある場合には、同種・同類解釈則によれば、strike(ストライキ)、lockout(ロックアウト)と同種・同類のものが含まれることになり、この一般的言葉、「労働争議」には、たとえば「労働基準法違反」などは含まれないこととなるでしょう。

なお、「その他の」と使うべきところを「その他」と使っていることでよく引き合いに出される条文で(8-1)と(8-2)の日本国憲法第21条があります。(21)

81)集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

82Freedom of assembly and association as well as speech, press and all other forms of expression are guaranteed.

佐藤功(22)によれば、「その他(の)」に後置されている「一切の表現の自由」の文句は、「言論・出版」のみにかかるとのことですが、この同種・同類解釈則を適用することになれば、「一切の表現の自由」は、「言論・出版」と同種・同類のものを含むものとなるでしょう。

もう一つ、民法587条の条文に使用されている「その他の」を(9-1)と(9-2)に取り上げましょう。

91)消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。

92A loan for consumption becomes effective when a first party receives money or any other thing from a second party, having promised to return a thing of the same type, quality, and quantity.

同種・同類解釈則を適用することになれば、ここで前置された具体的な言葉(=金銭)が後置される一般的な言葉(=物)の意味に包含され、その同種・同類の一部をなす意味に用いられているはずですので、ここでの「物」は、金銭を含むより広い概念の言葉「代替物」と解釈され、その代替物の内容は、前置の「金銭」と同種・同類のものとなりますが、日本民法の解釈では、代替物には「米、石油」が含まれているとされています。(23)

これまでいろいろの例をあげて検討してきたのですが、当初の検討の目的の、契約書の起草者がincluding,の後にbut not limited toやwithout limitationをなぜ置くのか、という問題に立ちかえり、次に、これまでの一応の結論を述べなければなりません。

but not limited toやwithout limitationを付け加える契約書起草者の意図が、includingの後に置かれている言葉のみと解釈されたくない、つまり(i)Expressio Unius Est Exclusio Alteriusの解釈原則の適用を回避したいと考えて、後置の語句が例示的であることを表わす意図に出たものか、(ii)Noscitur a Sociisや(iii)Ejusdem Generis(=of the same kind or nature)(同種・同類解釈則)の適用を回避する意図に出たものかはともかくとして、これらの解釈原則は、絶対的な原則ではなく、当事者の意思を探求する単なる解釈の指針にすぎない、商業上の関係の契約書の解釈には適用されない、あるいは裁判所で適用される場合でも具体的な言葉の種類の決定によって一般的な言葉の内容が異なり、その結論が逆になる等が主張されており(24)、しかもincludingの解釈にしても、Adamsの判例の検討によれば、includingを例示的に解釈している判例がある一方、but not limited toやwithout limitationが付け加えられていても例示的に解釈されていない判例もあります。(25)

このような現実に、同種・同類解釈則に従って一般的な言葉と具体的な言葉との間に同種・同類の関係を忠実に記載することによって対処する方法もあるでしょう。(26)しかし、最善の方法としては、Espenschied(27)も言うように曖昧な言葉は定義することによって解決できるのであって、次の(10-1)(10-2)の条項を、契約書の定義条項の一つに加えることだと主張する、Garner(28)やChristou(29)に賛成したいと思うのです。

10-1)”Including:” Unless the context requires otherwise, the term “including” means “including but not limited.”(30)

102)「を含む(including)」:文脈上、他の意味に解釈されない限り、「including(を含む)」は、「を含むが、これに限定しない」を意味する

「その他の」についても、法制執務用語に従い、その前と後の言葉を、同種・同類の言葉に限定しながら、(11-1)(11-2)を定義条項の一つとして加えることです。

111In this Agreement the words “other” and “otherwise” are to be construed as confining the meaning of any following words to things similar to the class or type of thing previously stated.(31)

112本契約書において、「その他の (other/ otherwise)」は、それに続く語を、前に置かれている同種・同類の事項に限定して解釈されるものとする

残された問題は、法制執務用語の「その他」です。これは、契約書の文体と法令の文体という別のところで取り上げることになる大きなテーマですので、ここでは明言を避け、次に「such as」を取り上げたいと思います。

[Ⅳ] Such asとの関係

これまで検討してきた、「Including, but not limited to」、「other」、「その他の」はすべて、言葉を例示するために使用されている表現です。言葉を例示するための表現として, 「such as」があります。(32)

ここでは、「such as」が、「other」、「including」とともに使用されている法律文書、「UNIDROIT PRINCIPLES OF INTERNATIONAL COMMERCIAL CONTRACTS 2016」(33)(ユニドロワ国際商事契約原則2016)に注目し、そこで、これらの表現がどのように使用されているか比較してみたいと思います。「including」(12-1)(12-2)、「other」(13-1)(13-2)、および「such as」(14-1)(14-2)は、それぞれArticle 7.1.1(第7.1.1 条)、Article 2.1.6 (1)(第2.1.6条第1項)およびArticle 9.1.2(第9.1.2条)ですが、内田貴ほかの訳語(34)によりながら、これらを比較してみます。

12-1)Non-performance is failure by a party to perform any of its obligations under the contract, including defective performance or late performance.

122)不履行とは,当事者が契約上の債務のいずれかを履行しないことをいい,不完全な履行および遅延した履行を含む

131A statement made by or other conduct of the offeree indicating assent to an offer is an acceptance. Silence or inactivity does not in itself amount to acceptance.

132)申込みに対する同意を示す相手方の言明その他の行為は,承諾とする。沈黙または不作為は,それだけでは承諾とはならない

141This Section does not apply to transfers made under the special rules governing the transfers:

(a) of instruments such as negotiable instruments, documents of title or financial instruments, or 

(b) of rights in the course of transferring a business.

142)本節の規定は,以下の各号に定める移転を規律する特則に従ってなされた移転には適用しない。

(a)流通証券,権原証券または金融証券などの証券の移転

(b)事業譲渡の一環としての権利の移転

[Ⅴ] 契約書の翻訳

最後に、多くの課題を残しながら、including, other, such asが含まれている契約書の英文の条項(15-1)を日本語に翻訳する(15-2)ことで、本テーマの検討の成果とします。この3つの表現が適切に使用されているかは、今後の課題として残します。

(15-1)AS USED HEREIN, THE TERM “HAZARDOUS MATERIAL(S)” INCLUDES, WITHOUT LIMITATION, ANY HAZARDOUS OR TOXIC MATERIALS, SUBSTANCES OR WASTES, SUCH AS (A) ANY MATERILAS, SUBSTANCES OR WASTES WHICH ARE TOXIC, IGNITABLE, CORROSIVE, OR REACTIVE AND WHICH ARE REGULATED BY ANY LOCAL GOVERNMENTAL AUTHORITY, ANY AGENCY OF THE STATE OF XXXXX, OR ANY AGENCY OF THE UNITED STATES GOVERNMENT, (B) ASBESTOS, (C) PETROLEUM AND PETROLEUM BASED PRODUCTS, (D) UREA FORMALDEHYDE FOAM INSULATION, (E) POLYCHLORINATED BIPHENYLS (PCBS), AND (F) FREON AND OTHER CHLOROFLUOROCARBONS.(35)

(15-2) 本契約書で使用されるとき、「有害性物質」とは、(A)有毒な、発火性のおそれのある、腐食性または反応性の高い材料、物質または廃棄物で、地方行政機関、XXXXXの国家機関または合衆国連邦機関が規制しているもの、(B)アスベスト、(C)石油および石油製品、(D)尿素ホルムアルデヒド発泡断熱材、(E)ポリ塩化ビフェニル(PCB)、(F)フロンその他のクロロフルオロカーボンなどの有害または有毒な材料、物質または廃棄物を含むが、これらに限定しない。

引用文献

(1) ^ Bryan A, Garner, Garner’s Guidelines for Drafting and Editing Contracts, WEST ACADEMIC Publishing, 2019,(以下「Bryan’s Guidelines」)423頁より引用

(2) ^ 長谷川俊明「条項対訳英文契約リーディング」LexisNexis, 2012, 224-5頁から引用

(3) ^ Harry M. Flechtner, Ronald A. Brand, Mark S. Walter, Editors, DRAFTING CONTRACTS UNDER THE CISG, Oxford, 2008, 10頁より引用

(4) ^ Bryan A. Garner, GARNER’S DICTIONARY OF LEGAL USAGE, Third Edition, Oxford, 2011, pp.439-450 (以下「Garner’s Dictionary of Legal Usage」)

(5) ^ Kenneth A. Adams, A Manual of Style for Contract Drafting, ABA publishing, Fourth Edition (2018) [13.353, 13-354, 13.355] (以下「Adams’ Manual of Style」)

(6) ^ 田中英夫編「英米法辞典」(東京大学出版社)「canons of construction(解釈原則)」(121頁)(以下「田中編:英米法辞典」)。 Richard Calnan, Principles of Contractual Interpretation, Second Edition, Oxford, 2017, [5.56] (以下「Calnan, Principles of Contractual Interpretation」)

(7) ^ LENNE EIDSON ESPENSCHIED, CONTRACT DRAFTING POWRFUL PROSE IN TRANSACTIONAL PRACTICE, SECOND EDITION, ABA Publishing, 2016(Kindle版)( CHAPTER 6 , esp. [6.2](以下「Espenschied, Contract Drafting」).

(8) ^ Garner’s Dictionary of Legal Usage, pp.439-440. Espenschied, Contract Drafting, [6.2]

(9) ^ JOEWTT’S DICTIONARY OF ENGLAND LAW, THIRD EDITION, VOLUME 1, P.886. (以下「JOEWTT’S, I」). Garner, Black’s Law Dictionary (8th ed.), West, 2004, p.620 (以下「Black’s Law Dictionary」). 田中編:英米法辞典、325頁. Espenschied, Contract Drafting, [6.2].

(10) ^ JOEWTT’S DICTIONARY OF ENGLAND LAW, THIRD EDITION, VOLUME II, P.1562. (以下「JOEWTT’S, II」). Black’s Law Dictionary, p. 1087. 田中編:英米法辞典、592頁. Espenschied, Contract Drafting, [6.2]. Richard Christou, Boilerplate: Practical Clauses, Sixth Edition, SWEET & MAZWELL, 2012, p.41 (以下「Christou, Boilerplate」)

(11) ^ Adams’ Manual of Style, Putting the General Word at the End [13-374 – 13.377].

(12) ^ http://www.japaneselawtranslation.go.jp/law/detail/?ft=1&re=01&dn=1&x=18&y=6&co=01&ia=03&ja=04&ky=%E5%95%86%E6%B3%95&page=68

(13) ^ 落合誠一・大塚龍児・山下友信著「商法Ⅰ-総則・商行為(第6版)」(有斐閣、2019年)176-7頁

(14) ^ 佐藤達夫編「法制執務提要」(第2次改訂新版)昭和43年、学陽書房、282-233頁

(15) ^ 佐藤達夫編「法制執務提要」(新版)昭和32年、学陽書房、270-271頁

(16) ^ 林修三「法令用語の常識」日本評論社、1975年、16-18頁

(17) ^ 吉田利宏「新法令用語の常識」日本評論社、2014年、24-26頁

(18) ^ 吉国一郎・角田禮次郎・茂串俊・工藤敦夫・大森政輔・津野修・宮崎礼壹共編「法令用語辞典(第9次改訂版)」学陽書房、平成21年、495-496頁

(19) ^ 法制執務・法令用語研究会「条文の読み方(第2版)」有斐閣、2021年、093-096頁(以下「条文の読み方」)

(20) ^ JOEWTT’S, I, p.783. Black’s Law Dictionary, p.556. 田中編:英米法辞典、290頁. Espenschied, Contract Drafting, [6.2]. Calnan, Principles of Contractual Interpretation, [5.71ー5.82]

(21) ^ 条文の読み方、096頁

(22) ^ 佐藤功、憲法(ポケット注釈全集(4)、有斐閣、昭和30年、150頁

(23) ^ 中田裕康「契約法」有斐閣、2017年、345頁

(24) ^ Christou, Boilerplate, pp.41-44.

(25) ^ Adams’ Manual of Style, An Unhelpful Fix [13.359 – 13.367]

(26) ^ Adams’ Manual of Style, Avoiding Uncertainty [13.368 – 13.373]

(27) ^ Espenschied, Contract Drafting, [6.1 (Semantic Ambiguity)]

(28) ^ Bryan’s Guidelines, p.423

(29) ^ Christou, Boilerplate, p.44

(30) ^ Bryan’s Guidelines, p.34

(31) ^ Christou, Boilerplate, p.44

(32) ^ R. W. Burchfield, Fowler’s Modern English Usage, Oxford, 2004, 750

(33) ^ https://www.unidroit.org/wp-content/uploads/2021/06/Unidroit-Principles-2016-English-bl.pdf

(34) ^ (著)私法統一国際協会(訳)内田貴・曽野裕夫・森下哲朗・大久保紀彦「UNIDROIT国際商事契約原則2010」商事法務、2013年を使用した。(なお、2016版は、2020年に出版されているが、該当の条項に変更がないため、2010版を使用した)

(35) ^ George W. Kuney, The Elements of Contract Drafting with Questions and Clauses for Consideration, Fourth Edition, West, p. 192より引用

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